朝起きて洗濯をまわす。明日モロッコを出発して次にいつ洗濯できるタイミングがあるかわからないのでできるだけ全部洗った。洗濯を待ちながら荷物を整理するが、これが全部スーツケースにおさまる未来が全く見えない。洗濯物を干して、一昨日合流したレイナちゃんと一緒にジャンクヤードへ向かう。
タクシーに乗り、グーグルマップ上に「えぐいフリマ」と保存しておいた場所を運転手さんに見せ、無事ジャンクヤードに到着。家具ゾーンや食器ゾーンを軽く流し見して、フリーマーケットがやっている広場へ向かう。この前来た時はトルソー探しの為にこの巨大フリーマーケットを見るのを我慢していた。今日は片っ端から見てまわることができる。パラダイスだ!門をくぐってフリーマーケットゾーンに入り、左回りに攻めていくことにした。全ての通路を通るように進み、一度ではしっかり見きれなかったので更にもう一周する。必要ないけど欲しい物だらけ。
近所に住んでいたら買い過ぎてしまうところだったけど今朝の時点でキャパオーバーしていたスーツケースが頭に浮かび、サイズ面において最小限の買い物に留めた。
・やけに縦長な綿の食品袋(底に錆汚れあり)
・①②③④⑤⑥と書かれた黒いサイコロ(傷だらけ)
・でかいファスナーの金具(持ち手が曲がっていて、この曲がり方が素晴らしい)
・アラビア語のカセットテープ5個(1個1DH)
出店している人のほとんど(もしかしたら全員)は男性だった。自分のエリアの奥の方に座って、のんびりしているおじさんやおじいさん。彼らはこれで生活していけるのだろうか。謎だ。うらやましい。いつかモロッコのフリマに出店側で参加してみたい。絶対にたのしいと思うけど、何かしらの法律に引っかかりそう?
フリーマーケットゾーンを回り終わって、二人とも疲れきっていた。日差しが強いからか特に目の疲労がすごい。そろそろ帰ることにして門から出ると、フリーマーケットを囲む壁の裏側がゴミ溜めになっていた。フリーマーケットで陳列されていたものと大差無いようなものが、こちらではゴミとして隅っこに山積みになっている。ここに謎の線引きがある。このゴミ溜めには誰も見向きもしない。家具ゾーンを通り抜け、アーケードの交差点に現れた古着の山からMADE IN NEPALの長袖を買い、タクシー乗り場へ。だいぶ高めに値段を言われたので1台目のタクシーは見送って、その次に停まったタクシーに乗った。それでも来る時の値段よりもちょっと高かった。
宿の前でタクシーを降りて、近所の超優良レストラン“ABDERRAHIM”でお昼ご飯を食べる。食べ終わる前に約束の15時になりそうだったので「ゆっくり来て~」と彼にメッセージを送ったのだけど、多分これが間違いだった。ランチを食べ終わってレイナちゃんと解散し、お店の外で彼を待つが、一向に来ない。一旦宿に戻って部屋で待っていると、16時前になって「もうすぐ着くよ~」と連絡が来た。モロッコ人と日本人では時間感覚がだいぶ違うかも。でも休憩できたので結果良かった。
外に出ると、彼が道路脇で交通整備のおじさんにつかまっていた。路上駐車料金を取られそうだったのですぐに後ろに乗って出発。「どこか行きたいところはある?」と聞かれたけど特になく、ちょっと考えて、「山の方とか郊外に行きたい」と答えた。私の自由時間は18時までしかない。2時間で山に行きたいという無茶振りに応えようと、彼は友達に電話をかけて山への行き方を聞いてくれて、電話の結果、2時間で山に行けるということになった。バイクで走りだしてしばらくすると、彼は今日もまた信号待ちで止まっていた隣のバイクの人に話しかけて道を尋ねた。道を教えてもらうと、彼は私に「君は山に行きたいというより単に街の外に行きたいの?」と聞いてきた。私が「イエス」と答えると、「OK、道を引き返そう」とのこと。やっぱり2時間では山に行けなさそうだったらしい。
Uターンをして、大きな道路を走っていくと、だんだん車と建物が減ってきた。Fenduqの周りの景色に似ているけど、ここはもっと何もない。何もない空き地がずっと続いている。突然、彼が車道を外れて、広大な空き地の方に向かって進みはじめた。まじかよ、二人乗りバイクでここいける?!とビビったけど、彼は笑いながら余裕そうに空き地の中を突き進んでいく。たしかに意外と大丈夫だけどアトラクションすぎる。ほとんど植物が生えていない赤土の大地。彼が何もない場所を指さして「サッカーコートだよ」と言った。よく見るとサッカーゴールくらいの大きさの白い枠が立っている。反対側にも同じ大きさの枠が立っていて、その間の地面は他の場所よりも石が少なく、たしかにグラウンドみたいになっていた。今まで見た中で一番純粋なサッカーコート
大きい石とかコンクリートの破片とかをよけながら、どんどん奥に進んでいく。砂埃がすごい。しばらく行ったところで彼が何かを見つけたようだった。前を見ると、一本の木がある。その木の枝にはたくさんゴミのようなものがひっかかっていて、バイクから降りて近づいてみると、そのゴミのほとんどは洋服だった。信じられなかった。良すぎる。風に運ばれてきた洋服がひっかかって自然とこうなったのか?単にそうとは思えない服の数。木の下に入ると枝の上に乗った洋服やゴミで日影ができていて、ひと休みできそうな空間があった。スペシャルすぎる。木の周りを一周して観察し、ベストな角度から写真と動画を撮った。
再びバイクに乗って、来た道とは違う方に向かって進む。途中ですれ違った砂利道を歩いていたおばあちゃんに話しかける彼。この人、まじでどこでも道を尋ねる。勇気を出して道を尋ねるとかじゃなく、もっと自然な、当たり前の感じ。いいな。しばらく走ると、また純粋なサッカーコートがあった。こっちのゴールは枠が赤と白の縞々模様で見やすく、コートの形にラインもひかれていた。モロッコではサッカーが圧倒的に人気らしい。バスケは?と聞くと「No」とのこと。彼はサッカーではなく、テコンドーとキックボクシングをしていたらしい。強い。
大きな木が5本くらい並んで生えていて、その全てが根元のあたりまで割れていて真っ二つになっている謎スポットを発見。2人してなんだこれ!となり、バイクから降りて見に行った。バイクを停めたところにベルベル語が書かれたおそらく農業用?の袋の破片が落ちていて、私がそれを拾うと、彼が「僕の母国語はこれ」と言った。ベルベル語?と聞くと「No, アマジーグ」と彼。私は意味が分からなくて、そのやり取りを何度か繰り返してしまったが、後から調べたらベルベル語/ベルベル人というのはローマ人がつけた蔑称で、自称はアマジーグというらしい。知らなかったことを後悔した。彼の母国語はアマジーグ。そして英語も話せるし、アラビア語も多分フランス語も話せる。すごすぎる。







